23-06-28

オイラーの等式e^iπ+1=0 が美しい、という話について。

 

僕はこの等式を過剰に評価する文化が嫌いだ。この等式はオイラーの公式e^iθ=cosθ+isinθにθ=πを代入した値であるが、等式ではなくこの公式の方が素晴らしい。というのも、指数関数と三角関数が容易に置き換えられる点が、非常に実用的でありながら数学の不思議さ、興味深さが感じられる。三角関数は座標を扱う際に非常に利便性のある道具の一つであり、指数関数は微分積分を非常に扱いやすい。この二つが等価であることで強い威力を発揮する。私もまだ勉強不足だが、それでもこの等式に出会う頻度は凄まじい(私が物理系の学科であるというのが大きいが)。代表例としてはやはり二階線系微分方程式の一般解Ce^λ+C'e^λ'だろうか。少し話が逸れてしまったが、この公式の本質は「指数関数と三角関数が等価である」ということであり、θに特定の値を代入してしまうことでその本質がわかりづらくなっているのは非常にナンセンスである。また、もともとはe^iπ=-1という形なのに、本質より見た目重視でわざわざ移項している点も気に食わない。