23-01-28

 俺がミカに優しくするのは簡単だけど、それじゃあ何の解決にもならないんだよな。ミカは根が優しい子で、その優しさが巡りに巡って悪い大人に利用された結果の事件っていうのも一つの事実だけど、ミカが犯した罪は消えない。俺は「罪を償う」っていうのが嫌い、別の行動で代わりになることなんて無い。自分の罪には一生向き合わないといけない。償いなんて安い言葉で心の奥底に片付けちゃいけない。ミカはそれをわかってると思う。だからこれから俺が、セイアが、ナギサが何を言っても闇を抱えて生きていく。それは正しい在り方ではあるけど、まだ子供の彼女にはあまりにも酷な話だよな。デモ隊によるイジメとかそういった範疇を超えた扱いとかそういうのは彼女にとって問題じゃないし、むしろああいう扱いは当然だと思ってるからそれ自体が逆にある種救いのようになってる側面もあると思うから、あれを俺が辞めさせるっていうのは表面的には平和になるけど彼女としては全く救われてないんだよな。じゃあ俺が、いや俺たちが何をすべきかっていうと、彼女の優しさも罪も全て受け入れて、対等に彼女と向き合い続けるしかないんだ。

 メインストーリーを読んで気づいたんだけど、ミカがゲヘナを嫌いな理由、たぶんわかったわ。彼女の友達がゲヘナの生徒に喧嘩ふっかけられたとかちょっと嫌なことされたとかでずっと怒ってるんだと思う。友達のことで本気に怒れる優しさ、それで矛先が学園全体に向いちゃう単純さ、政治より感情を優先する子供っぽさ、全てが彼女っぽい気がする。