22-09-25

 けいおんの最後の文化祭回に唯の「放課後ティータイムは、いつまでも放課後です!」というセリフがあります。この発言のあと会場がシラケるので、少なくとも作中では唯の天然なセリフとして扱われているのですが、僕はこのセリフめちゃめちゃ良いなって感じたんです。

 放課後って、上手く言えないけど学生にとってたまらなく特別な時間だと思うんです。学校に残って友達と談笑したり、部活したり、勉強したり、文化祭準備したり、結局学生時代の楽しい思い出みたいなものは放課後に集約されてるんです。修学旅行の本番は消灯後みたいな感じで、学校生活の本番は放課後なんですよ。それに、いつだってその頃を思い出すと浮かぶ景色は夕焼けで、寂しさと切なさであふれかえっています。

 唯にとっての放課後はバンドのみんなとのティータイムと練習の楽しい時間であって、最後の文化祭を終えてこれから卒業に向かう唯が「いつまでも放課後です」と言うのは、自分が高校を卒業しても、またバンドのみんなで集まってお茶を飲んだり楽器を弾けばいつだってあの頃の放課後と同じ時間を過ごせるという、五人の関係がずっと変わらないことを匂わせるような言葉に聞こえてきます。