22-10-17

 AI絵を認めない主張、「パソコンで作った履歴書には温かみが無い」と似ている。そもそもAI絵の問題点は、AIが無料とか月額サービスとか(あるのか知らないけどありそう)の格安で過剰供給をするせいで絵が価格崩壊を起こすことであって、消費者(オタク)にとっては、AI絵の流行で仕事を辞める絵師が大量発生していない現時点ではそこまで大きな問題は無い。が、オタクはpixivで流れてくるAI絵に文句を言っている。AI絵はまだ指などを上手く書けないらしく、そのクオリティについて文句を言っている可能性も考えられるが、pixivにはAIより下手な絵が星の数ほどあるのでそんなこと言ってるオタクはほぼ無視できる、つまり、AIが書いた絵ということ自体に文句を言っているオタクが大半だろう。となると、冒頭の「パソコンで作った履歴書には温かみが無い」理論と似ているという結論に至る。つまり、AI絵が叩かれているのは感情論でしかないというわけだ。

 また、詳しくは知らないが、ラフを人間が書いて着彩をAIにやらせ、最後に手直し、というような手順で絵を書く方法もあるらしい。これ、今日を人間が書いて、初音ミクに歌を歌わせ、最後に調教、というボカロ曲が作られる工程と少し似ている。が、前者は受け入れられづらく、後者は受け入れられやすい。何故だろうか?私には〝慣れ〟以外の理由が考えられない。今でこそ一般的であるボカロ曲が、昔はどの程度どんな理由で拒絶されていたか私は知らないが、まあ十中八九「機械が歌ってるの、なんか気持ち悪い」であろう。それが結果として現在では受け入れられている。当然、人間の入力に歌を出力するだけのボカロと自動生成の絵、曲さえあれば誰でも歌って楽しむことができるボカロ曲と鑑賞することでのみ楽しむことができる絵では違う点が多々ある。しかし、歌唱力を鍛える練習や絵の技術を鍛える練習を省略し、誰でもある程度のクオリティを持つ作品を作れるという点では同じだ。

 つまるところ、AI絵が否定される論理的理由は無いし、ボカロ曲という前例がある以上、現時点で批判意見が多々あるが数年後にはAI絵も一般的になってる可能性が高いと思うよという話。オージービーフが流通しても国産牛の需要は無くならないし、ボカロ曲が流行っても米津玄師は自分で歌い続けてるし、将棋はまだアツい。そういう点でのデメリットも考えづらいし、むしろAIの上手い使い方が開発されて絵師全体のレベルが上がる可能性すらある。将棋みたいにね。